栃餅って何? 栃とは? 栃の実ってどんな実?栃に関してはN0.1自称する遊月亭(株)但馬の栃に関するページ

名称
栃の木(十千、橡の木とも書くことがある。)
分類
トチノキ科トチノキ属
原産地
日本産原産種
シーズン
栃の花は毎年5月頃に咲き、実は毎年8月下旬~9月の初秋に採れる。
生息地域
北海道札幌郊外以南から、宮崎・熊本県境北部までの温帯に分布し、本州北、中部に多い。(スタッフが北海道、道東の中標津で栃の木を見たと言っています)
実の特徴
硬い外皮で覆われており、その中に栗のように1個?2個の実が入っています。
高さ
高さ30m、木の幹は直径2mぐらいにもなります。(日本で一番大きな栃の木は、太田の栃の木と言われています)
栃の花
毎年5月頃白色の小さな花がロウソク状(円錐形)に集まって咲きます。
木材
家具や楽器などに使われます。
花の蜜
花からは蜜がとれます。この栃蜜は最高品質のものとしてしられています。(但馬地域で販売しておりますが、遊月亭では取扱いはありません)
栃の仲間
マロニエ(西洋栃の木):マロニエの花は、栃の木よりも若干ピンクがかっており、実の外皮にはとげがあります。紅花栃の木、アメリカ紅花栃の木
その他
栃の木は栃木県の県木ですが、その由来は神明宿(今の栃木市神田町)に天照皇大神を祀る神明祠があり、その棟に十個の千木がついていたので、十の千木、すなわち「とちぎ(栃木)」と名付けたそうです。また大相撲の力士の中には栃という字をしこ名にしている力士達が見られますがこれは第27代横綱栃木山が栃木県出身だったことに由来しているようです。

縄文時代からどんぐりなどと共に日本人に食されてきました。米がほとんど取れない山村では、その貯蔵性の高さ(一説には凶作のために10年程度持つといわれている栃の実を保存していた)や、一本の木が大木になるために多くの実を簡単に集められるところ、虫がつきにくく他の動物に食べられないなど、飢饉の時などの重要な食料とされてきました。現在はお土産として栃餅、栃の煎餅などが売られています。

栃と動物達

熊などの動物達も食べていたという話が伝えられていますが、真相は不明です。

栃にまつわる本

もちもちの木:小学校の国語の教材もちもちの木とは栃餅のことです。栃餅を生徒に食べさせたいと先生よりお問い合わせを頂くこともあります。

風林火山

[著 者] 新田次郎

[出版社] ㈱文藝春秋刊

風林火山の中で、不老長寿の実・秘薬として「火の刊」登場

栃餅は東京産

[著 者] 濱屋悦次

[作 者] 阿部芳朗

[出版社] ㈲火批評社

濱屋悦次先生の著書

モチモチの木

[著 者] 斎藤 隆介

[出版社] 岩崎書店

栃の木が登場する感動の名作

遊月亭栃餅の栃の実は代々受け継がれてきた秘伝の製法であく抜きをされています。始まりは、創業者である河越庄一が実母の作ってくれる『とち餅』が大のお気に入りであったことです。『いつかはあの栃餅を商品化したい』と思っていた栃餅を商品化させたのです。

栃の実のあく抜き方法

栃餅(とち餅)に使用する栃の実は、本来そのままでは食べられるものではなく、あく抜きをした後に、一緒に搗いて栃餅(とち餅)にしたり、煎餅にしたりして食べます。ところが栃の実は、アクを抜いて使える状態にするまでには、実に半月以上の時間を要し、十数工程もの作業を必要とする、大変手間のかかるものなのです。そしてその作業は、生の栃の実の乾燥具合や、工程中に使う水の温度、煮るときに沸騰させる時間など、細かいことのひとつひとつが全て仕上がりに影響されるのです。遊月亭では、アク抜きへの工程を行っています。栃の実のアク抜き方法は、上手に出来るお年寄りから若い世代へ代々受け継がれている郷土に根付いた作業です。遊月亭の栃餅(とち餅)は古来伝承の木灰を使用していますので、独特の風味があります。当社では、あく抜きから製品になるまで、すべて自社の工場内でおこなっております。

栃餅の作り方
◆用意するもの◆
・栃の実(アク抜きしたものを洗い、水気を切っておく)
・もち米 ・もちとり粉
・蒸し器 ・杵とうす(又は餅つき機)
1.白い餅を作る時と同じようにもち米を研いでからたっぷりの水に浸して一晩置く。
2.もち米をザルにあけ、水を切って、アク抜きをした栃の実と混ぜ合わせる。
3.蒸し器にたっぷりの水をはり、もち米と栃の実を45分蒸す。量によって蒸し時間が異なるが、もち米を指でつまんでみて、潰れるくらいが頃合い。
4.うす又は餅つき機にあけて、そのまま白い餅と同じようにつく。栃の実がきれいに混ざり合い、粒々がなくなったらつき上がり。
5.つき上がった餅に、もちとり粉をまぶし、熱いうちにひと口サイズにちぎり、手で丸めていく。粉のついた部分を餅の内側に丸めこむようにすると、シワの寄らない丸い餅に仕上がる。
あく抜き栃の実をお買い上げのお客様にもれなく栃もちの作り方レシピをプレゼント致します。
栃餅

何千年にも渡り母から子へ子から孫へと伝わり、途切れることのなかった独自の製法。

遊月亭の栃餅もその流れを引き継ぎ、創業者の母上様より伝えられた独自の製法に、さらに工夫を重ねて今のあく抜き製法へと辿りつきました。約1ヶ月かけじっくり頑固に遊月亭のアク抜き職人があくを抜き、一つ一つ皮をむき、餅と一緒につくことでやっと出来るのが栃餅なのです。栃の物語とご一緒にご賞味ください。

正月栃餅

地元但馬産の希少品種マンゲツモチと栃の実を杵でついています。

余分な水を加えていませんので、もち米の味、マンゲツ餅の粘り強さが出た、ころりと可愛らしいおもち。

何もつけなくても、もちと栃の甘みが味わえる、もっちり粘りの強いおもちです。

私達寿スピリッツグループ゚では、栃の実の研究を続けています。栃の実は日本の食文化と深く関わってきた栄養源のひとつです。古代より親しまれてきた理由を探求するため、2002年に科学的な研究に着手し、2003年からは島根大学、鳥取大学大学院連合農学研究科、公的研究機関との共同研究を開始。サポニンをはじめとした多くの有益な成分が栃の実には含まれていることが分ってきております。

遊月亭の目の前にある「出会い橋」の側で育つ栃の木

収穫の秋!皮から飛び出た丸々太った栃の実

秋の但馬でぎっしりの栃の実が収穫できました

風に吹かれて飛んできた栃の実の赤ちゃん?

初夏の真っ青な空に向かって栃の花を咲かせてくれました。

栃の実を我が子のように愛でる遊月亭の高橋さんと仲間たち

但馬の山の奥深くに堂々と立つとっても大きな栃の木

遊月亭の屋根まで届きそうな栃の木すくすく育ってます

参考文献:

風林火山[著者]新田次郎[出版社]㈱文藝春秋 / 栃餅は東京産[著者]濱屋悦次[作者]阿部芳朗[出版社]㈲火批評社 / モチモチの木[著者]斎藤隆介[出版社]岩崎書店

栃の実一覧